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山の炭焼き小屋

112 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/12/28 03:56:16 ID:eNtXvmie
知り合いの話。

彼は二十年ほど前に、現在住んでいる街へ引っ越してきた。
それまでは山奥の寒村に住んでいたそうで、彼も彼の妹もそこで産まれた。
産婦人科病院というような物は存在せず、産婆が出産を面倒見ていたという。

彼の妹が産まれた時のこと。
彼が庭先で落ち着かずウロウロしていると、家の中から赤子の声が聞こえてきた。
産まれたんだ!
そう興奮した直後、いきなり障子が引き開けられ、怖い顔をした産婆が出てきた。
ずかずかと庭まで下りてくると、柿の木に向かって手をパッと振る。

「!!!っ」

声にならない悲鳴が聞こえ、何かがどさっと木から落ちた。
目を凝らしたがはっきりと見えず、ただ黒い影のような物が山の中へ逃げ去った。

後で聞いたところ、ヤマコを塩を撒いて追い払ったのだという。
ヤマコとは山中に住む物の怪で、猿のような姿形をしているのだそうだ。
ヤマコには雌という物が存在しないので、時々人里に下りてきては女子を攫って
山に帰ると言われていた。
「久しぶりに女の子が産まれたんで、気になって見に来たんだろうよ」
にこりともせずに、産婆さんはそう言ったのだという。


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